シミ・シワの原因は、自覚できない慢性炎症

私たちの体の中では、常に「自覚症状のない炎症」が発生しています。

この自覚症状のない慢性炎症は、炎症に伴う発熱や腫れなどの症状がみられなくても、外部からの細菌やウイルス、アレルギー性物質や体内の異常な細胞に対応し、体中で常に小さな炎症を起こしている状態を指します。

特に皮膚は、紫外線や外部からの刺激を受ける唯一の臓器で、常に慢性炎症が発生しており、
これがシミやシワなどの肌悩みの原因とされています。

今回は、知らない間に肌悩みの原因となっている「慢性炎症」について解説します！

慢性炎症がもたらす肌の悩み

肌の慢性炎症は、正常なコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、シワやたるみ、肌のハリ低下を引き起こす原因となります。
これにより、肌は潤いがなく、触れるとザラザラとしていて弾力がない状態になります。

さらに、炎症によってメラノサイトが刺激され、シミやくすみが生じると同時に、表皮細胞の分化や増殖にもダメージを与えるので、敏感肌・乾燥肌・インナードライスキンを引き起こしやすくなります。

そのため、肌の慢性炎症は、
実は知らない間に、肌悩み・肌老化の一因となっているのです。

肌の炎症老化を抑えるには？

肌は紫外線を直接受ける唯一の臓器です。
特に大量の紫外線を浴びると、大量の活性酸素が発生しメラニンの産生を促します。

そのため、肌の「炎症老化」を抑制するには、
活性酸素を除去し、メラニンの産生を防ぐ成分である「ビタミンC」を積極的に取り入れることが大切です。

ビタミンCの炎症抑制作用と美肌への効果

代謝や紫外線によって発生する活性酸素は、皮膚に炎症を引き起こしますが、
ビタミンCはこの活性酸素を除去することで皮膚の炎症を抑える働きがあります。

また、メラニンを作る際に中心的な役割をするチロジナーゼという酵素の活性を抑える働きもあります。
さらにビタミンCは、できてしまった褐色のメラニンを還元して無色化するという作用も持っています。

その為、ビタミンCの摂取や外用によって日焼けしにくくなり、皮膚の炎症とメラニン産生を抑制することができます。

またビタミンCは血管の透過性を低下させることで、炎症性細胞が血管の外に出て炎症を激しくするのを抑える効果もあります。
特に、ビタミンC誘導体（特にVC-PMGと呼ばれるマグネシウム型のビタミンC誘導体）は肌に浸透しやすく、効果的なブライトニング効果と炎症抑制効果をもたらします。

またビタミンCに加え、トラネキサム酸やカミツレエキスなどのブライトニング成分も炎症の抑制に効果的です。
これらは異なる美白メカニズムを持っていますので、一緒に使用することでより強力なカクテル美白効果が期待できるでしょう。

まとめ

肌の悩みは根本的な原因こそ異なりますが、
共通して自覚症状のない慢性炎症が関与しています。

そのため、肌の慢性炎症を抑制することが美しい肌を実現する鍵となりますので、
日々のスキンケアに「ビタミンC」を取り入れて、慢性炎症ケアを心掛けましょう。

参考文献
青山ヒフ科クリニック　ビューティーコラム：
第90回　シミ・しわの本当の原因は、自覚できない慢性炎症