前回、頑張りたい時こそ、ビタミンC!という話をしました。
でも頑張りすぎたせいか、日中もすぐ眠くなってしまう…というときはありませんか?
そんな時にもビタミンCは有効です!
皮膚科専門医でビタミンC研究の第一人者である、
青山ヒフ科クリニック院長の亀山孝一郎先生に詳しく伺いました。
前回、体が頑張っている時=体内での代謝が盛んな時であるということをお話しました。
代謝が盛んになり、エネルギー合成が進むと
体の中では、アデノシン*や酸化グルタチオンなどの酸化物質が増加します。
この酸化物質が眠気の原因で、運動した後に眠くなる原理はこれです。
*アデノシン:ATPが加水分解したもの
よって、眠気を抑えるためには、抗酸化物質を積極的に取り入れる必要があります。
疲れている時、眠気に耐えられない時、ここぞという頑張りたい時には
抗酸化物質であるビタミンCを積極的に取り入れ、
体内の酸化物質を減少させることが大切です。
上記解説の通り、
ビタミンCをとると、酸化物質が減って代謝もアップするので、
体の中では、まるでエンジンがかかったように代謝活動が開始され眠くなりにくくなります。
ビタミンCを還元するビタミンB群や、神経細胞を活性化するカフェインまで配合しているのが、エナジードリンクです。
夜、寝つきを良くしたいのであれば、
寝る直前にビタミンCを取ることはあまり効率的ではないと言えますので、
ビタミンCの摂取は、寝る2時間前までに済ませることが好ましいでしょう。
【取材協力】青山ヒフ科クリニック院長 皮膚科専門医 医学博士 亀山孝一郎
1980年北里大学医学部卒業。
その後、北里大学皮膚科に入局。1986年1月~1989年5月まで、世界最高峰の研究機関である米国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)にて、メラニンの生成について最新研究に没頭。1999年に、ニキビは感染症であるというそれまでの常識を覆す。“ニキビは感染症ではない、皮脂の過剰分泌を背景とした活性酸素病であり、アクネ菌はその悪化因子である”という趣旨の論文を発表。同年、医療法人社団星美会 青山ヒフ科クリニックを開業。また、ビタミンCの誘導体が天然型の何倍も肌に吸収されることを、世界ではじめて証明した。いまでこそニキビにビタミンCが効くことはあたりまえになったが、“ビタミンCのニキビに対する効果”という論文は当時驚きを持って迎えられた。
2020年5月発売「毛穴道」(講談社)を監修。