太古の昔、われわれの祖先が4本足から2本足歩行に移行した頃、祖先の脳は飛躍的に大きくなったそうです。
2本足歩行に要する情報量は4本足に比べて飛躍的に大きくて視界に前方の景色をとらえ、でこぼこがないか、傾斜はどれくらいか
体の傾きはどうかという情報を処理するために脳が大きくなったそうです。
脳神経が発達するときに神経成長因子というものが分泌されます。
神経成長因子は繰り返し起こるニキビなどにも関与していますが、一番大切な役割は脳を活性化することでしょう。
神経栄養因子は脳由来神経栄養因子(BDNF)のひとつです。
スポーツをするとBDNFが分泌されるのです。
歳をとるとボケるといいますが、ボケを防ぐのにスポーツは最適といわれています。
全身の筋肉を動かし、その動きを統合するのは脳ということで、脳を含む全身を活性化するためでしょう。
また、僕の経験では論文を読んだり、実験計画を考えたりするときにもBDNFは分泌される気がします。
久しぶりに英語の論文を読んでもなかなか頭に入らないのが、読むのを継続するうちにすっと頭に入るようになります。
やがて、知識が点となり、線となり、そして面となります。
論文の知識を応用して、オリジナルの治療法が浮かび上がる際にも、うーんと考えるのではなく、読みながら、勝手にポコっと頭に浮かび上がるのです。
おそらく神経成長因子が思考回路をどんどんひろげているのではと考えてしまいます。
ともあれ、ヒトは物を考えて、運動するのが一番合っているようです。
朝から晩まで机にかじりついていては、動物ではなく静物になってしまい動かないことがストレスになってしまうのでしょう。
仕事の前でも、後でも体を動かす時間を持ちましょう。
皮膚科専門医 亀山孝一郎
医師、医学博士
北里大学医学部卒業、世界最高峰の米国立保健衛生研究所(NIH)でメラニン生成についての最新研究に専念。
1999年に、ニキビは感染症であるというそれまでの常識を大きく覆す。
同年、医療法人社団星美会 青山ヒフ科クリニックを開業。
2002年6月オリジナル化粧品ドクターケイを発表。