気温の上昇を感じる日が増えてきました。
新しい季節、新しい環境で心もデリケートになりがちです。
実は、知らない間に蓄積されたストレスは、肌トラブルの原因の1つです。
寒暖差に気圧の変化、眠気や怠さなど、一見すると肌に直接影響がなさそうな不調も、積み重なることで大きなストレスとなります。
実はイライラすると交感神経から『サブスタンスP』というイライラホルモンが分泌されます。
このホルモンは皮脂腺細胞に働いて、皮脂分泌を増加させます。
皮脂分泌が増加すると、毛穴悩みやニキビなど、様々な肌トラブルを引き起こします。
さらに感覚神経のサブスタンスP受容体に結合して、痛みや痒みを引き起こします。
イライラすると痒くなるのは、サブスタンスPが感覚神経を刺激しているためです。
ストレスが炎症を起こして肌トラブルを招くのは、炎症に伴い活性酸素が生じて、皮膚や体内にダメージを起こすからです。
ですから炎症の際に生じる活性酸素を消去することで、皮膚の炎症が抑制され、肌トラブルを解消することが可能です。
活性酸素を消去する抗酸化剤として有名なのがビタミンCです!
紫外線や花粉などの外側からの刺激(外的ストレス)と、
精神的ストレスなど内側からの刺激(内的ストレス)で
活性酸素が大量に発生する皮膚には、抗酸化剤であるビタミンCがたくさん必要なのですが、生命維持に必要な臓器に先に使われてしまい、常に不足しがちです。
また、ビタミンCは体内では生成できない物質なので、
食事や内服からの摂取はもちろん、スキンケアからもビタミンCを外用することが非常に大切です!
更にビタミンCは、ドーパミンに作用する補酵素やミトコンドリアの活性化にも影響を与えるため、メンタル面もプラスに作用する効果が!
環境の変化や心の変化が大きい今の時期こそ、丁寧なビタミンケアを心がけましょう。
【取材協力】青山ヒフ科クリニック院長 皮膚科専門医 医学博士 亀山孝一郎
1980年北里大学医学部卒業。
その後、北里大学皮膚科に入局。1986年1月~1989年5月まで、世界最高峰の研究機関である米国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)にて、メラニンの生成について最新研究に没頭。1999年に、ニキビは感染症であるというそれまでの常識を覆す。“ニキビは感染症ではない、皮脂の過剰分泌を背景とした活性酸素病であり、アクネ菌はその悪化因子である”という趣旨の論文を発表。同年、医療法人社団星美会 青山ヒフ科クリニックを開業。また、ビタミンCの誘導体が天然型の何倍も肌に吸収されることを、世界ではじめて証明した。いまでこそニキビにビタミンCが効くことはあたりまえになったが、“ビタミンCのニキビに対する効果”という論文は当時驚きを持って迎えられた。
2020年5月発売「毛穴道」(講談社)を監修。