そんな思いで、紫外線対策をしている方は多いと思います。
紫外線には2つの種類があります。
UVB・・・波長が短く、 10%が真皮の上層に到達するが、おもに肌の表面で吸収される。強いエネルギーを持つ。
UVA・・・波長の長く表皮だけでなく、20%~30%が真皮の下層まで到達する。
ともに、メラニン産生を増加するだけでなく、活性酸素を生じることで皮膚に炎症を生じます。
紫外線に当たると皮膚が赤くなるのは、紫外線が皮膚に大量の活性酸素を生じ、皮膚に炎症が起こり血管が開いて赤くなるためです。
なお、平均的な日本人にUVBを照射すると約20分で皮膚が赤くなります。
サンスクリーンに書かれているSPFとは、「サンスクリーンを外用したのちに、UVBを照射してMEDを起こすのにどれくらいの時間を要するか」ということです。
言い換えると、サンスクリーンを外用してどのくらいの時間、日焼けを抑止できるかを示す数値です。
SPF1は、日焼けを抑止できる時間が20分です。
つまり、SPF30=20分×30=600分(=10時間)となります。
UVAを皮膚に照射すると一時的に皮膚が黒くなります。これを一時黒化というのですが、サンスクリーンのUVAに対する防御効果は
一時黒化に要する時間をどのくらい長くできるかによって示されます。
PA+++というのは一時黒化を12倍から16倍まで長くするということです。
日常生活をするのであれば、SPF30、PA+++で十分ということになります。戸外でスポーツをする、海や山に出かける場合にはSPF50+、PA++++(一時黒化を16倍以上延長)というサンスクリーンを使用すべきです。
紫外線に当たる
↓
チロジナーゼなどの酵素の活性が増加して大量のメラニンが産生され
↓
皮膚は黒くなる=いわゆる日焼けが起こるわけです。
理想のサンスクリーンの条件
徹底的な紫外線対策をするのはどうしたらいいのでしょうか?
サンスクリーンをたっぷり塗って、紫外線散乱剤で紫外線を反射させ、紫外線吸収剤で紫外線を吸収させて皮膚に紫外線が入り込まないようにすることです。
高機能サンスクリーン剤はビタミンCやビタミンEなどの抗酸化剤も配合されていて、紫外線が皮膚に活性酸素を生じるのを抑制する作用を持っています。
最近、波長の短い可視光線であるブルーライトや広範囲にわたる可視光線、そして赤外線も、紫外線同様に皮膚に活性酸素、蛋白分解酵素を生じメラニン産生や光老化を促進する作用があることが明らかになりました。
理想のサンスクリーンの条件
①紫外線、可視光線、赤外線をすべてカットする
②抗酸化剤を配合していて活性酸素を消去し、炎症をおさえる
③メラニン産生を抑制する
④肌に刺激や負担がない
最近話題の飲む日焼け止めは、ビタミンCやリコピンなどの抗酸化剤からなります。
活性酸素を消去して炎症やメラニン産生をある程度抑えますが、UVBがDNAを直接破壊するの予防したり、
肌に入りこむ紫外線を減らすこともできないので、あくまでも、塗るサンスクリーン剤の補助として使用することをお勧めします。
皮膚科専門医 亀山孝一郎
医師、医学博士
北里大学医学部卒業、世界最高峰の米国立保健衛生研究所(NIH)でメラニン生成についての最新研究に専念。
1999年に、“ニキビは感染症ではない、皮脂の過剰分泌を背景とした活性酸素病であり、アクネ菌はその悪化因子である”という趣旨の論文を発表。ニキビは感染症であるというそれまでの常識を大きく覆す。
同年、医療法人社団星美会 青山ヒフ科クリニックを開業。
2002年6月オリジナル化粧品ドクターケイを発表。